無添加・圧搾製法で選ぶ、台所の基本調味料|森の家が使う油・醤油・みりん・塩・砂糖

本みりん、基本の調味料 veganの意味

森の家で普段使いしている基本の調味料

毎日立つ台所から、私たちの体は作られています。けれど、スーパーの棚に並ぶ膨大な調味料を前に「どれを選べば体にやさしいの?」と迷ってしまうことはありませんか。私自身、北海道の森の家で暮らしながら、一つひとつの調味料と時間をかけて向き合ってきました。

大切なのは、特別に高価なものを揃えることではなく、その一滴・一粒がどう作られたかを知ることです。この記事では、森の家の台所を支える基本の調味料(油・醤油・みりん・塩・砂糖)の選び方と、実際に愛用している品をご紹介します。ラベルの見方や「選ばないもの」の基準も含めて、今日から使えるヒントとしてお届けします。

森の家で愛用する「基本の調味料」

森の家で使う調味料は、どれも珍しいものではありません。けれど、原材料や作られ方を知り、安心して使い続けられるものを選んできました。

は、遺伝子組み換えでない菜種から作られた菜種油を使っています。強い主張がなく、素材の味を邪魔しないやわらかな風味です。醤油は、原料の大豆も麹も国内産で、昔ながらの落ち着いた香りと角のない塩味のもの(オーサワの「あかね醤油」など)。煮物や和え物で、味が前に出すぎず全体を静かにまとめてくれます。みりんは、国内産原料の本みりん。甘さだけでなく自然な照りと深みを与えてくれるので、砂糖を多く使わなくても満足感のある味になります。

調味料 特徴 選び方のポイント
圧搾一番しぼりの菜種油 遺伝子組み換えでない・化学溶剤不使用
醤油 天然醸造の醤油 国内産原料・余計な添加物が少ない
みりん 本みりん 糖類や醸造アルコールの添加が少ない

「選ばないもの」を決めると、選び方が見えてくる

森の家で使う油・醤油・本みりん

調味料選びは、「何を選ぶか」と同じくらい「何を選ばないか」を決めると、ぐっとシンプルになります。森の家では、便利な合わせ調味料より、調味料そのものの力を大切にしたいので、「出汁入り醤油」や「みりん風調味料」は基本的に選びません。みりんは”本みりん”を手に取ります。また、お食事の提供にはマヨネーズ・ケチャップ・市販ソースは基本的に使わず、自家製のドレッシングなどで対応しています。制限というより、素材や発酵の味わいをそのまま感じてほしいという思いからです。

カテゴリ 選ぶもの あまり選ばないもの
みりん 本みりん(伝統製法) みりん風調味料(水あめ等)
味のベース 天然醸造の醤油・味噌 出汁入り醤油・合わせ調味料
ソース類 自家製ドレッシング等 市販のマヨネーズ・ソース

時間をかけて熟成された調味料は、強く主張しなくても、一皿の中で静かに働いてくれます。私の場合は、こうした調味料に変えてから、塩分や甘さを足しすぎなくても満足できるように感じています。あくまで個人の感想ですが、毎日のことなので、無理なく続けられる選び方を大切にしています。

油は「抽出方法」に注目して選ぶ

油は、原料だけでなく製法にも注目すると選びやすくなります。私が選んでいるのは、圧搾法(あっさくほう)でしぼられた菜種油です。ゆっくり物理的に力をかけて抽出された油は、香りや風味がやさしく、料理になじみます。一方、薬品(ヘキサンなど)を使って効率よく抽出する方法もありますが、私はできるだけ自然に近い形で作られたものを選びたいと考えています。考え方は人それぞれですが、ラベルの「圧搾」「一番しぼり」「遺伝子組み換えでない」といった表示は、選ぶときの分かりやすい目印になります。

出汁は「引き算」|昆布と干し椎茸のやさしい旨み

森の家の出汁は、昆布と干し椎茸を基本にしています。ときには乾燥させた野菜の皮やヘタを合わせ、時間をかけて旨みを引き出します。忙しいときは、植物性素材の野菜だしや野菜ブイヨンに助けてもらうことも。大切にしているのは、完璧であることより、無理なく続けられることです。市販の顆粒だしを使う場合も、裏面の「原材料名」を見て、化学調味料ができるだけ少ないものを選ぶと、ぐっと自然な味に近づきます。

砂糖は「きび糖」、塩は「自然のままの塩」

森の家で使うきび糖と自然塩

森の家で使う砂糖は、一般的な上白糖ではなく、奄美のサトウキビから作られた「きび糖」です。やわらかな甘みで、料理の味を強く変えず、静かに全体をまとめてくれます。実は2020年の冬、約2ヶ月間、奄美大島に滞在して黍(きび)刈りや精糖の作業に関わらせてもらった経験があり、しぼりたての甘い香りや、時間をかけて結晶になっていく黒糖の記憶が、今も台所に息づいています。

塩もまた、自然のままに作られた塩を選んでいます。同じ塩でも産地や製法で味わいが少しずつ違い、気がつけばいくつもの塩を台所に並べる「塩のコレクター」のようになりました。料理や食材によって塩を変えると、味の表情が変わるのも楽しみのひとつです。

自家製味噌という、もう一つの土台

森の家の調味料の中で、いちばん静かで大きな存在が自家製の味噌です。ゆっくり発酵し季節を越えて育つ味噌は、時間そのものを食べているような感覚があり、体にすっとなじむやわらかさが食の土台になっています。味噌づくりの詳しい話は、自家製味噌の作り方と魅力にまとめていますので、興味のある方はどうぞ。

長く使い続けている、信頼できるメーカー

私がずっと使っているのは、ムソーやオーサワジャパンといったメーカーの調味料です。釧路市にある自然食品店『ナチュラルショップあまむ』で出会いました。店長さんとは長い付き合いで、「これは安心できるよ」と教えてもらったのがきっかけです。流行だから選んだのではなく、台所に置き続けて違和感がなかったもの。それを今でも使い続けています。調味料選びに迷ったら、信頼できる自然食品店で相談してみるのも、良い出会いの方法です。

調味料を選ぶことは、暮らしを整えること

大きな決意をしたわけではありません。ただ、毎日使う醤油や味噌を少し見直しただけ。けれどその小さな変化は、思いのほか静かに、私の食卓を整えていきました。何を口にするかを選ぶことは、どう生きるかを選ぶことに、どこか似ています。誰かに合わせるのでも、流行でもなく、「自分はどうしたいか」と問いながら選ぶ。その積み重ねが、日々の食事を心地よくしてくれます。特別な調味料を一度に揃える必要はありません。まずは一つ、毎日使うものから見直してみてください。それだけで、台所の景色は少し変わります。

食と暮らしの話はフードセラピー森のいえのご案内でも綴っています。あわせてどうぞ。

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