「雪が溶けたら、あそこを片付けたい。ここに何かを置けるかな」
北海道の冬を越えるたびに、そんな春への小さな期待がふくらみます。
森の中で暮らす私にとって、雪解けは「森しごとの解禁日」です。
この記事では、2026年4月初旬に実際に取り組んだ春の森しごとを記録しています。
新しいノコギリの使い心地、厄介な笹への対策、レイズドベッドの準備から、
春一番の山菜・蕗のとうの恵みまで。
田舎暮らしや移住を考えている方、庭や森の整備を始めたばかりの方に、リアルな参考記録としてお役立ていただければうれしいです。
春の森しごと前に、揃えておきたい道具と装備
本題に入る前に、実体験から強くお伝えしたいことがあります。
それは「足元の装備を、シーズン前に点検しておく」ことです。
私はこの春、娘から譲り受けた冬用の長靴で森に入ったところ、
雪解けでぬかるんだ地面から水が滲んできて難儀しました。
雪の下には倒れた草の層、落ち枝、隠れた切り株が潜んでいて、足元はそう甘くありません。
これから森や庭の整備を始める方は、防水のしっかりした長靴と厚手のズボンを、
作業を始める前に用意しておくと安心です。
道具については、今年新しく購入したノコギリが、期待を上回る使い心地でした。
細身で手に馴染み、力の入れ具合もちょうどよく、
替え刃を購入できるタイプなので長く使えそうです。
良い道具がひとつあるだけで、作業への意欲ががらりと変わると実感しました。
雪解け直後の森で、まず直面すること

最初の作業は、足もとに落ちた枝を薪ストーブで使えるサイズに切りそろえることから。
続けて下木払いに取りかかります。
ただ、雪解け直後の森は歩くだけでも一苦労です。実際に直面したことと、その対処を整理します。
| 直面したこと | 具体的な状況 | 対処法・気づき |
| 倒れた草の層 | 何層にも重なった枯れ草が足元を塞ぐ | 一歩ずつ確認しながら進む |
| 落ち枝の散乱 | あちこちに枝が落ちて動きにくい | まず枝をまとめて処理してから作業 |
| 隠れた切り株 | 雪の下に埋まっていた切り株につまずく | 足元を確認し、厚手の装備で安全対策 |
| 長靴の劣化 | 冬用長靴から水が滲む | 雪解けシーズン前に長靴の点検を |
春の森しごとは気持ちがよい反面、足元からしっかり現実を教えてくれます。
やりたいことに取りかかる前に、まず安全に動ける状態を整えることが、
結局はいちばんの近道だと毎年感じます。
厄介な笹への対策|除草剤なし・機械なしで人力で挑む

雪が溶けた森をゆっくり歩きながら、今年の作業計画を頭の中で描いていきます。
まず決めたのは、だるまストーブを設置したい場所。
ところがその一帯には、厄介な笹が群生していました。
笹の根は地下で縦横に広がり、表面を刈っても翌年にはまた生えてきます。
根絶は現実的ではないため、まずは「広がりを抑えること」を目標に試行錯誤することにしました。
| 笹対策の方法 | 実施内容と効果・課題 |
| 下木払い | 笹周辺の細い木を数本切り払い、作業スペースを確保 |
| ブルーシートで遮光 | 敷いてみたが風に煽られ、薪で押さえる作業に時間がかかった |
| 防草シート(今後の課題) | 表層の根を剥がしてから敷く方法が有効かもしれない |
| 草刈機(次の季節) | 次回は草刈機で刈り取り、根の処理と組み合わせて検証予定 |
除草剤は使わない方針で、機械にも限りがある。
そんな条件での笹対策は、正直まだ答えが出ていません。
それでも、今年は私がひとりで無理なくできる範囲で試してみる。
その結果もまた、来年の森しごとの記録になっていくのだと思います。
試しながら進むことも、田舎暮らしの醍醐味です。
レイズドベッドの準備|小さく始めて、少しずつ整える
レイズドベッド(地面より高く土を盛った栽培スペース)を作りたい場所には、前日の夕方に防草シートを1m×1mサイズで2枚敷きました。
今の段階では面積が足りていませんが、今年はまずこれでスタートします。
枠の素材に使えそうな丸太も数本見つけてきましたが、
細めのもの(高さ約10cm)では少し低い印象で、理想の高さにはもう少し太い材料が要りそうです。
最初から完成形を目指すのではなく、その都度考えながら進めるのが森の作業に合っています。どう組むか考えている時間もまた、楽しいものです。
来年このスペースがどう育つかも、また記録していきます。
ネギコーナーと水仙コーナーも整えたい

昨年作った「ネギコーナー」では、冬を越えたネギが早くも顔を出していました。
今年はもう少し面積を広げたいところです。
また、敷地のあちこちに水仙の芽が出てきたので、「水仙コーナー」としてまとめて整理する予定です。
外に出ると、やりたいことが次々に浮かんできます。
でも実際には、体力や時間の都合で思うように動けないこともあります。
そのバランスを取りながら自分のペースで整えていくことも、森暮らしの現実です。
無理をせず、少しずつ。それが長く続けるコツだと、30年の経験から学びました。
蕗のとうを食べて、春をいただく|活用法と保存

森しごとの合間に、うれしい発見がありました。敷地内で蕗のとうが顔を出していたのです。
4月になった途端に芽吹いた姿に、春の訪れを全身で感じました。
蕗のとうは、古くから春を告げる山菜として親しまれ、
冬眠から覚めた熊も食べると言われています。
独特のほろ苦さが特徴で、厳しい冬を越えたあとに口にすると、その美味しさはひとしおです。
| 蕗のとうの活用法 | ポイント |
| 天ぷら | 衣は薄めに。苦味が引き立ち、春らしい一品に |
| パスタ | オリーブオイルと塩でシンプルに。風味が際立つ |
| 味噌汁(ネギ代わり) | 刻んで加えるだけ。汁に苦味と香りが溶け出す |
| 保存方法 | 採れたては冷蔵で2〜3日。天ぷらにして冷凍も可能 |
自宅周辺で採れる山菜を、そのまま食卓へ。森の暮らしの中にある、何気ない豊かさです。
なお、山菜を採る際は、似た植物との取り違えや、他人の土地・採取禁止区域での採取に注意し、安全が確認できるものだけをいただくようにしています。
まとめ|春の森しごとは「足元から、少しずつ」
表にすると簡単に見えますが、実際には丸太を一本動かすだけでも、足元を確かめ、腰を伸ばし、ときどき空を見上げながらの作業です。
それでも、少しずつ場所が整っていくのを見るのは、やっぱり楽しいもの。
春の森しごとは、やりたいことより先に足元の安全を整え、完成を急がず小さく始めることが、
長く続けるコツだと感じています。
来年も同じ場所がどう変わっていくか、記録を続けていきます。


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