北海道の田舎暮らし|街まで8kmのリアルな生活

夏の町営牧場 北海道の田舎暮らし

北海道の広大な大地で田舎暮らしを夢見たとき、やはり気になるのは「生活の利便性」ではないでしょうか。
とくに、スーパーや病院がある街までどのくらいかかるのか・・・
この距離感は、移住後の暮らしやすさや幸福度を大きく左右するポイントだと思います。

私の暮らしている森の家から、街までは約8kmあります。

数字だけ聞くと、そんなに遠くないように感じるかもしれません。
でも、この8kmには少し物語があります。

まず森の中の未舗装の道を通り、細い町道を1キロほど走る。
そこでやっと道道に出て、そこからが「街へ向かう道」です。

車がすれ違うことのできない森の道。
対向車を見つけたら、どちらかが少し広い場所で待つのが普通ですが
滅多にそんなことも起こらない。
でも先に相手を見つけたら、ちょっとすれ違える場所で待っているのです。

そんな小さな譲り合いが、当たり前のようにある道です。

街まで8km。
北海道の田舎暮らしの中では、これは遠いのか、近いのか。
森の家から街へ向かう、私の日常を書いてみようと思います。

自宅前から始まる100メートルの未舗装路は、譲り合いの道

森の家へ向かう未舗装の道

森の未舗装道路は、自宅の前から始まります。
ただ、この道は長くはありません。
終わりが見えるくらいの距離です。
距離にすると、おそらく100メートルあるかないかくらい。

春の嵐では吹き溜まる道でもあります。

だから、道に入ってくる車はこちらから見えるので
車が入ってくるのが見えたら、通り過ぎるのを待ってから出る。

逆に、こちらが舗装道路へ出る前に車が入ってきたら、
向こうが待ってくれることもあります。

未舗装道路はすれ違うことが出来無い狭さなのです。

特別なルールがあるわけではないけれど、
自然と譲り合って通る、そんな道です。

山側に側溝があって、この冬、その側溝に除雪の重機が落ちて
大変な引き上げ作業をしていました。

舗装された町道を1キロほど、野生動物に出会うこともある道

未舗装の道を抜けると、細い町道に出ます。

この道では、よく鹿の群れが横断したり、
狐や狸がうろうろしている姿を見かけます。

近くの湿地で営巣しているタンチョウ鶴を見かけることもあります。

夏の牧草地を歩く丹頂鶴のつがい。

開けた牧草地と、木々が並ぶ森のあいだを通る舗装道。

そこをしばらく走ると、道道に出ます。
そこからが、いわゆる「街へ向かう道」です。

街までは8キロ。
車で10分といったところです。

牧草地の風景を眺めながら、街へ向かう道を走る

道道に出てから街までは、左右に牧草地が広がっています。

しばらく走ると、町営牧場も見えてきます。
牧場では、若い牝牛たちが集められて育てられています。

まだお乳を出す前の牝牛たち。
白黒のホルスタインたちが、春の牧草地でのんびりと草を食べている姿を見ると、
「ああ、北海道の春が来たんだな」と感じます。

夏になると、牧草地は一面の緑になります。
あまりにきれいな景色なので、車を止めてカメラを向けている観光客の姿を見かけることもあります。

町営牧場の風景は、夏だけではありません。
冬の今も、とてもきれいです。

山全体が牧場になっているので、
夏は牛と緑、
冬は一面の雪。

そして、風の強い日には、
小さな雪玉がコロコロと転がっていくことがあります。

上から下へ転がるだけではなく、
ときどき風に押されて、
下から上へ転がっているように見えることもあるんです。

スノーローラーという現象です。

さらに、厳しく冷え込んだ朝には、
空気の中にダイヤモンドダストがきらきらと舞うことがあります。

そんな朝、条件がそろうと、
太陽の光が柱のように見えるサンピラーが現れ

湖や川の水面から、白い湯気のようなものが立ち上る
けあらし(気嵐)」と呼ばれる現象も見えるのです。

けあらしは水温と気温の差によって生まれる自然の霧です。
風がない朝ほどはっきりと見えて、水面がゆっくりと呼吸しているようにも感じられます。
冷え込んだ朝にだけ現れる、静かな冬の風景です。

住んでいればこそ出会える真冬の風景。
その美しさには、移住して何年経っても感動しているのです。

30年前には、牛が道路に出ていることもありました

舗装道路に出ると、遠くに町営牧場の上の方が見える場所があります。
ときどき、牛たちが上の方に集まっているのが見えて、
「今日は上にいるな」と思いながら進みます。

昔、もう25年以上前のことですが、
その牧場から牛が道路に出てしまったことがありました。

車を走らせていたら、道の上に牛たちが堂々と立っていたのです。

クラクションなんて鳴らせません。
そっと刺激しないように、牛たちの間をゆっくり車ですり抜けて通ったことがあります。

今では、そんなことも懐かしい思い出ですね。

そして街に入って、一番手前にあるコンビニがセイコーマート。

森の家からこのセイコーマートまでの間、
途中に信号機は一つしかありません。

しかもそれは手押し信号。

30年暮らしていますが、
一度も止められたことのない信号機です。

いつもの買い物は、街で一番大きいスーパーへ

セイコーマートの近くにある高校や中学校を通り過ぎて少し行くと、
私がいつも買い物に行くスーパーがあります。

都会の人から見ると「小さい」と感じるかもしれません。
でも、この街では一番大きいスーパーです。

最近は酪農の仕事などで海外から来ている人も多く、
いつ行ってもお客さんの姿が途切れません。

一通りの食材はそろうので、
日常の買い物には十分です。

ただ私は、釧路へ行ったときにはCOOPにも寄ります。
なので、普段はこのスーパーで、
足りないものを補充するような感覚で買い物をしています。

普段は地元の人たちの暮らしを支えるスーパーですが、
夏になると、ここで食材や飲み物を買い込んでからキャンプ地へ向かう人たちも増えて、
店内がいつもよりにぎやかになります。

買い物はこのあたり、町の中心はまた別の場所

スーパーの周辺には、ホームセンターやサツドラ、ツルハ、
ローソンやラーメン店、パチンコ店、ちょっと離れて道の駅などもあります。

日常の買い物は、このあたりでだいたい済みます。

ただ、この場所が町の中心というわけではありません。

町の中心は、役場や図書館、銀行、郵便局がある場所。
そこにはセブンイレブンもあります。

とはいえ、徒歩でも行ける距離です。

それでも北海道民は、自転車のように車を使いこなすので、
数分車を走らせて銀行や郵便局へ向かいます。

買い物のエリアと町の中心が少し離れているのも、
この町らしいところかもしれません。

森の家から街まで8キロ。
往復すると16キロ。

さすがに歩く気にはなりません。(笑)

そして、冬の8kmは夏の8kmとは少し違います。
吹雪いた日は、街へ通じる道路のゲートが閉じてしまうこともあり、
近いはずの街が急に遠く感じられることもあります。

冬は早めに動き、食料や日用品を少し多めに備えておくこと。
買い物ひとつをとっても、夏と冬とでは意識の違う暮らしをしているのです。

北海道移住については、こちらの記事でも詳しく書いています。

▶ 北海道移住で後悔しないための全知識

北海道移住で後悔しないための全知識|30年住んで分かった厳しい現実と「自分を取り戻す」生き方
北海道移住で後悔する瞬間とは?30年住んだ私が、冬の厳しさ・光熱費・車社会・人間関係のリアルな現実を解説。それでも後悔しなかった理由と「生き直す」という選択について綴ります。

また、北海道の暮らしに欠かせない車については、こちらの記事に書いています。

▶ 北海道移住で車は必須?所有せずリースで暮らす9年の現実

北海道移住で車は必須?所有せずリースで暮らす9年の現実
北海道では車は必要?釧路で9年リース車に乗る筆者が、月額17,000円の維持費や所有との違い、冬の車生活の現実を解説。移住前に知っておきたいリアルな体験談です。

コメント

タイトルとURLをコピーしました